首相の所信―「菅外交」の姿が見えない
首相的施政報告-國民看不見「菅式外交」
民主党政権の外交は大丈夫か。そんな思いを抱く国民も少なくないだろう。しかし、その懸念を払拭(ふっしょく)する「菅外交」の全体像は示されなかった。
民主黨政權的外交政策沒問題嗎?想必有不少國民抱持此種疑慮。然而,能夠打消此種疑慮的「菅式外交」全貌尚未被展現出來。
菅直人首相がきのう、国会で所信表明演説を行った。就任から4カ月。参院選での敗北、党を二分した代表選、内閣改造を経ての再出発である。
昨天(10/1),菅直人首相於國會發表施政演說。就任首相四個月,這篇演說乃是他在經歷參議院敗選、分裂民主黨的主席選舉以及內閣改組的一個新開始。
それは政権交代の成否を賭けた民主党政権の再スタートでもある。首相は「有言実行内閣」の看板に恥じない指導力を発揮しなければならない。
同時也是民主黨政府賭上執政權的再開始。首相必須發揮無愧於「言出必行內閣」之名的領導能力。
経済と社会保障の立て直し、消費増税を含む財政再建など、聞きたいことは山ほどあるが、当面の関心は何といっても日本外交のかじ取りである。
國民想問首相的事不勝枚舉,例如重啟經濟與社會保障、以增加消費稅重建政府財政等等。但現下人民最關心的還是日本外交的去向。
いまや外交は民主党政権のアキレス腱(けん)となった観がある。
有人認為外交如今可說是民主當政權的死穴。
鳩山由紀夫前首相は、米軍普天間飛行場移設問題で日米関係をきしませ、政治とカネの問題も相まって、在任わずか8カ月余で退陣に追い込まれた。
鳩山由紀夫前首相就是因為遷移美軍普天間機場的議題,導致日美關係緊張,在政治與獻金問題的交互作用下,在任僅僅八個月便被迫下台。
菅首相は尖閣諸島沖事件での中国人船長の逮捕・釈放をめぐり、与野党を超えた批判にさらされている。ロシア大統領が北方領土訪問を表明するなど、国家主権が絡むデリケートな問題で政権の力量が問われる局面が続く。
菅首相在釣魚台事件的中國籍船長的處置上,受到在野黨強烈的批評。同時俄羅斯總統宣佈訪問南千島群島等牽涉到國家主權的微妙問題,不斷挑戰著現任政府的能力。
民主党政権の外交に不安がつきまとうのは、安全保障観の異なる議員の寄り合い所帯のためでもある。日米中3カ国の関係をどう位置づけるか、沖縄に米海兵隊の駐留が必要かどうかをめぐっても、党内の意見はさまざまだ。
民主黨的議員在國家安全的觀念上有歧義,也是導致國民一直對民主黨政權的外交政策不安的原因。該何處理日美中的關係、美國海軍陸戰隊是否仍有必要駐守沖繩,民主黨內部對於這些問題的始終沒有共識。
それだけに、演説の冒頭に外交を据えるくらいの判断があってよかった。体系的な外交戦略と最高指導者としての気構えを、国民に向かってもっと丁寧に発信すべきではなかったか。
正因如此,如果首相決定將外交議題放在演說開頭就好了。首相不正是應該有系統地將外交戰略,以及身為最高領導者的作法仔細地告知國民嗎?
尖閣諸島は「我が国固有の領土」だという原則的立場を確認したのはいいが、船長釈放について「国内法にのっとり粛々と処理した」との相変わらずの説明には、国民も納得できまい。
確立以釣魚台列嶼是「我國固有之領土」為原則的立場雖然不錯,但對於釋放中國籍船長的處置,首相卻依舊維持「謹尊國內法執行」的說明,國民無法接受這個說法。
普天間問題では、日米合意の実行がますます難しくなっているにもかかわらず、沖縄の負担軽減にも取り組むというお定まりの表現を繰り返すだけ。
在普天間機場的問題上,明明美日要取得共識日益困難,但演說卻僅重複全力減輕沖繩負擔的官方說法。
「国民一人ひとりが自分の問題としてとらえ、国民全体で考える主体的で能動的な外交」を掲げたわりには、国民への説明がおざなりに過ぎる。
至於揭示「將每個國民的問題都當作自己的問題,以全體國民的思考為主體,進行主動外交」這點,這個說法太過敷衍人民。
菅首相は演説の結びで「熟議の国会」を掲げ、野党に協力を呼びかけた。ねじれ国会では、国民のための政策を実現する責任は与野党双方にあるという認識は、まさにその通りだ。
菅首相在結尾揭示「協議的國會」,呼籲在野黨需合作。正是這樣沒錯,在較勁國會中,朝野雙方都有責任實行對國民有利的政策。
ただ、ねじれ国会を乗り切る最大の力は、やはり国民からの支持である。それをしっかり得られれば、野党もおのずと協力せざるをえなくなる。
但是要突破較勁國會,最重要的還是國民的支持。要是無法明白這點,也無法得到在野黨的幫助。
菅首相は就任直後の初めての所信表明を、政治のリーダーシップの源泉は国民からの信頼にあるとして、国民への協力の呼びかけで締めくくった。その初心を忘れてはいけない。
菅首相在就任後首次執政演說時,曾以政治上的領導權源自國民的信賴為主軸,並以呼籲國民通力合作做結。請首相不要忘記這個初衷。